聴くこと。
私が子どもの頃からずっと、習ってきたピアノの先生方に言われ続けたこと。
「自分の音(響き)をよく聴いて!」
私は聴いてるつもり、でも先生にはそうは思えないらしい。
それから長い時間が経ち、
樹原涼子先生のマスタークラスを受けるようになって気づいたこと。それは、
私は、どうやって聴けばよいのか、
“聴き方”を知らなかったんだ!
ということ。
まずは、ひとつの音(例えば、ド)の響きに耳をかたむける。
響きが細くなって消えていくまで。
それも目を閉じて。
目を閉じると耳が開くのです。
全てはそこから。
どんなに小さな生徒さんでも
「低い音のほうがひびきちゃん(響きのこと)が長い!」
とか、
「さっきのドは元気なひびきちゃんだった!」「さみしそうなひびきちゃんだった」
とか、
ビックリするぐらい、色々なことを感じ取ってくれるのです。
いきなり楽譜を見せて、「これがドですよ。
鍵盤のここを弾きましょう。」というやり方では、
見ること、弾くことに精一杯で、
響きを味わうどころじゃなかったなあ。
最近、私の演奏を聴いた方から
「音を良く聴いていますね。」と言われることが多くなりました。
生徒さんたちもピティナステップの講評や発表会の感想で、
「自分の音も先生の伴奏もよく聴けていて良いですね。」と
褒めていただくことが増えてきました。
「聴くこと」は「コミュニケーションすること」。
音楽と、共演者と、聴いてくださる人たちと、
何よりも自分の心と。
耳を開いて、自分の音を聞きながら演奏する生徒さんたちを見ると
いつも感動してしまいます。
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