”音楽”だけ
16日は左手のピアニスト、舘野泉さんのトークコンサートを聴きに
カワイ表参道へ。
我が師匠、樹原涼子先生の作品を中心に
左手のためのピアノ作品をお話しを挟んで。
会場に響き渡ったのは、「上手と思われたい」とか
「私はこんなに弾けるんだ」とか「認められたい」とか。
そんな余計な“自我”が全くない、ただ“音楽”のみの演奏。
会場の隅々まで、なんとも言えない響きで満たされました。
カワイの方も「このグランドピアノが、こんな風に響くのは初めてです。」
とおっしゃっていたそう。
トークも興味深くて、
楽譜からその音楽の本質を読み取る力が凄いのと、
「ここが、まだわからないんだよねえ。」と
樹原先生に色々と質問をしたりして、
謙虚さと、81歳の今も音楽への飽くなき好奇心に溢れていて、
ビックリしました。
小さい頃は学校で授業を聞かないで、
教室の外ばっかり見て空想したり、風の音を聴いたり。
習字はいつも字が紙からはみ出していたそう。
その事を先生から聞かされたお母様が、
「この子はそれでいいんですよ。好きなようにさせてやってください。」
とおっしゃったというのが、すごく印象的。
「響きあう」というのが、とても大切なんだ
という事を実感したコンサートでした。
音楽をするのに一番大切なことは何か。
それを演奏と存在を通して、教えてもらったような気がします。
舘野泉さん、本当にありがとうございました。
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